映画の話ー2
27 Feb 2009 02:24:27 pm
今はほとんどの映画が公開してすぐDVDになるか
またはTVでやるので「見逃す」と言う事は無いですよね。
ほとんどの家庭のTVにはビデオかDVDが有ります。
(今はもっと進んでいますが)
私の子供の頃から考えれば夢のようです!
子供の頃ビデオがあれば、大好きな
「オオカミ少年ケン」も「サイボーグ009」も「サンダーバード」も
「ジャイアントロボ」も「どろろ」も「仮面の忍者赤影」も〜〜と、
あげだしたらきりが有りません。
全部録画して撮って置きたかったなぁ・・・。
今、復刻版でかなり出ていますけれどね。
もう一度見たいと思えば、映画などはレンタルビデオで
用が足りでしまいます。
私が小中学校の頃まではTVで「金曜洋画劇場」とか
良く映画をやっていました。
確か中学生の頃、「サマータイムインベニス」と言う映画の放送がありました。
年配の人なら良くご存知かと思います。
キャサリン・ヘップバーンの名作ですね。
私は中学生だったので、まだこの映画の良さが分かる年では有りませんでしたが
母は昔見てすごく良かった、とかで
「このシーンが素敵でラストがこうで〜」と話始めます。
所が、母が一番感動的だった、と言うラストシーンが少し違うのです。
最後駅のプラットホームで白い花を渡すのですが
そこの演出が母の話と食い違うのです。
母も「あれ〜こんなシーンだったっけ??」と不思議そうでしたが
多分、1度しか見られない感動的なシーン、
何度も何度も頭の中で繰り返してゆくうちに想像が膨らんで
自分なりの理想のシーンになってしまったんですね。
懐かしの映画ご覧下さい。
http://hollywood.eigajiten.com/ryojyou.htm
この経験は私にも有ります。
私の場合は「ジャングル大帝」
1作目の白黒作品です。
人間に捉えられたレオと母親は船に乗せられ
アフリカから連れさらわれます。
母ライオンの「レオ、ジャングルに帰って仲間達を守るのです」と言う
言葉にレオは単身海へ飛び込み故郷のジャングルを目指します。
レオが1匹のライオンとして自立する姿を現す象徴的なシーンです。
そしてジャングルをめざし海を泳ぐレオの目前を
何万と言う蝶の大群が海を渡って飛んでゆくのでした。
私は「鳥のように渡りをする蝶が居る」と言う話や
TV番組を見るたびにこのシーンを思い浮かべてきました。
真っ青な大海原の上を何万と言う蝶の大群が渡ってゆく・・・。
ものすごく幻想的で壮大なシーンです。
まるで本当に見てきたようなすごいシーンが頭にうかぶのです。
そして、かなり最近になって、「懐かしのTVアニメ番組」で
そのシーンを久しぶりに見たのでした。
「え?」と言う感じでした。
本当に・・・「え?」・・・・です。
蝶が映るのもほんの一瞬なのです。
考えてみれば、まだ白黒アニメの時代。
そんな壮大なスケールの絵が描ける訳が有りません。
単純なアニメのワンシーンが私の頭の中で
どんどん膨らんでいったのですね。
http://blog.hankyu-travel.com/kaigai/00300/00303/2008/003689.php
もし、あの頃ビデオが有ったら、
見たいシーンを何度も見て、思い違いや間違った
記憶を持つ事は無かったでしょう。
でも、母の心に残る感動のラストシーンや
私の頭の中の壮大な蝶達の渡りは存在しなかったんでしょうね。
一生に一度の感動。
それを心に刻み付けて人生の糧にする。
・・こんな考えは今は古臭いんでしょうか?
なんとなく、想像力や感動する心が
便利な文化製品にそぎ落とされてしまっているような気がします。
カテゴリー : General Posted By : tai-chi |