命日

 29 Apr 2008 02:47:51 pm

4月の末は、昔一緒に住んでいた父の叔母に当たる方のご命日です。

私は生まれたときから居たので何も考えずに
「おばちゃん」と呼んでいました。

彼女は中国からの引揚者でした。
中国から引き上げてくる途中で3人の子供とご主人を亡くし
嫁ぎ先の家には入れてもらえなかったそうです。
家は本家なので生まれた家に帰ってきていたわけです。

私が小学校の時に亡くなってしまったので
そのことを知ったのは中学になって
一緒に引き上げてきたと言う父の叔父の話を聞いた時でした。
その叔父もとうに亡くなってしまい
今思えばどうしてもっと詳しく話を聞いておかなかったのか?と
後悔ばかりです。

狼の群れと、追ってくるソ連兵から逃げるのに必死だったそうです。
二人の幼い子供をつれ、逃げる途中でもう一人出産したそうです。
いったいどんな過酷な旅だったか、今では知る由も有りません。

目の前で自分の子供達が次々と死んで行くのを見なければならない
と言うのはどんな気持ちなのか。
やっとたどり着いた嫁ぎ先で
「亭主と子供を殺してお前だけが帰って来た!」とののしられるのは
どんな気持ちなのか。
今の平和な日本で暮らしている私には想像も出来ません。

そしてその後復興し発展してゆく日本の中で
どんな気持ちで生きていたのでしょう。

多分、たくさんの人が同じように何も言わずに亡くなって行ったのでしょうね。

今、一年で一番美しい季節です。
咲き乱れる花々を見るにつけ、「桜の下には死体が埋まってる・・」と言う
詩を思い出すのです。

今の日本の繁栄の下に
たくさんの無念の死が有るのです。

この季節になると、家の仏壇に入っている「おばちゃん」のご位牌と
中国で死んだ3人の子供達のご位牌をみてそう思うのです。

カテゴリー: General | Posted By : tai-chi |



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